片づけコンサルタント「こんまり」こと近藤麻理恵さんのお片付け番組がなんとアメリカのNetflixで放送開始され、主婦たちのあいだで話題となっているそうです。
番組名は『Tidying Up with Marie Kondo』***(邦題は「KonMari~人生がときめく片づけの魔法~」)。
番組の内容は、こんまりが片付けがニガテな家庭に出向き、あのフレーズ「ときめきますか?」と聞きながら片づけを指南していくというもの。アメリカでは「リアリティショー」のカテゴリーに入っています。
すでにYoutubeに日本語字幕版のこんまり流お片付け海外版がありましたが、これは完全アメリカ版。アメリカ人の家の中を通訳さんを介して片づけ方を教えています。
(***tidying up とは[ tidy up= きれいに片付ける] からきている言葉 )
Netflix内の番組ページ
https://www.netflix.com/jp/title/80209379
番組の紹介ビデオ
こんまりNetflix番組のアメリカでの評判
アメリカではどんな評判なのか、映画・テレビ番組評価サイト「IMDb」に視聴者のレビューが掲載されていたので読んでみました。
10段階のうち平均は6.8。8~10の高評価が多かったですが、1とか2の酷評もありました。字幕がイヤというのが多かったですね。あとは独特なこんまりの世界が理解できない人もいるようです。いい評判だと「人生にこんまりは必要」、悪い評判だと「最悪」とすごい言われよう。
キッパリと評価が分かれるレビューがおもしろかったので、ピックアップして一部翻訳してみました。
よい評価のユーザーレビュー
10/10
「この番組はときめきます!」
近藤まりえの本と同じくとてもかわいいプレゼンテーション。この番組では”こんまりメソッド”が分かりやすい例をあげて説明されています。
参加者は番組を通じて彼らの家だけでなく彼ら自身も変えます。ステキな番組!そしてMarieは光かがやく宝石です!
8/10
「否定的な視聴者は日本の文化を理解していない」
日本人は、モノゴトを擬人化するスピリチュアルな人たちです。彼らはおてんとうさまの暖かさに感謝し、お茶道では「良い」面がほかの人に面するように茶碗を回します、そして彼らは身体的にも心も調和しています。Marieが服を捨てることに感謝しましょうと提案するのは理にかなっているのです。
彼女は可愛いです。そして言語の壁についてですが、 英語は大人になって学ぶのがもっともむずかしい言語の一つです。学校で英語を学んでいる子供たちは本当にラッキーだと思います。
英語は他のほとんどの言語とは異なり、一定のルールがありません。他の言語に比べて学ぶのはとても難しいです。日本語は学ぶのがもっとも簡単な言語のひとつかもしれません。
Marieは英語がペラペラでないので番組内では英語で話さないのだと思います。
8/10
「楽しくていろいろ学べる番組」
この番組はほかのリアリティショーに比べて見るのが楽しいです。 Marieは視聴者が上手に片づけられるようになることに真剣に興味を持ち、時間を費やしています。心地よくてハートウォーミングな新しいTVジャンルの初まりですね。
10/10
「リラックスできる明るい番組」
私はMarieが落ち着いて可愛らしいTVホストだと思っていますし、字幕は気になりません。
彼女が出演している人に48時間以内にすべてを捨てるように強制したり、ばかげたことをしたりしないところが好きです。番組に出ている参加者も突飛な人や変な人がいません。
スウィートでシンプル、そして現実味のある番組です。
8/10
「悪いレビューが理解できない!」
実用的な番組です。Marieの「言葉の壁」に批判しているレビューは無視してください。英語で説明しないのが不満ですか?字幕を読むのが?冗談でしょ?この番組はショーは、整理整頓ができない人たちのためのいい刺激になります。
リアリティショーは普通じゃないような人をあつかう番組だと思っていますが、Marieの番組は人が人生をより良い方向に変えるように導いてくれるのです。それがこの番組なのです!
8/10
「自分の家を片付けたくなります。」
Marieは素晴らしいオーラと個性を持っています。彼女が世界的に人気が出たのも不思議ではありません。でも字幕を読むのに苦労しました。文字の背景を黒にして欲しいです。他のエピソードを見るのが楽しみです。
8/10
「私たちの人生には「近藤まりえ」が必要です」
この番組のアイデアは新しいものではありません。 本のTidying Upとの違いはMarie Kondoにあります。このステキで小さな女性を見たり聞いたりすると、なにかとても落ち着いて心地よくなるのです。
彼女はとても優しくやる気があり、自分のクライアントとそのニーズをとてもよく考えています。彼女のアプローチには確かにスピリチュアル的なところがあります。しかし彼女はクライアントの家がとれだけめちゃくちゃに散らかっていても、ゼッタイに彼らを批判したりしません。
私は彼女の番組はいろんな人に対応できるよう、まざまな状況でさまざまな人たちを登場させるところが好きです。毎回、ユニークな彼女が強調したいポイントがあります。
あなたがシンプルな生き方をさがしているのなら、この番組はあなたにの役に立つヒントを与えてくれるかもしれません。
4-6点の評価
6/10
「まぁまぁ」
この番組はまぁまぁですね。整理整頓したくなります。でもすべての洋服にお別れの言葉をかけるのはちょっと変ですね。
4/10
「ただただつまらない番組」
この番組は単に家が散らかっている人たちを見て「そうそう、うちも同じ!」と言うだけのものです。言い換えれば、私は近藤まりえから新しいテクニックや感動的な言葉を学ぶことはありませんでした。
これは、Marie Kendoの番組と「Fav Five's Queer Eye**」との大きな違いです。つまり彼女はリアリティショーの主役には適していません。それに出演者の選び方がよくないです。
たしかに出演している家族は少し物を持ちすぎていますが、ほぼ平均的なレベルです。ビフォーアフターのシーンには全く感心しませんでした…
エピソードを1,2回も見ればあなたが家を片付ける気になるのには十分です。ちなみに、私は日本人で、英語字幕で番組を見ました。ほとんどの場合彼女は番組内で日本語で話しますが、通訳の人と字幕はどちらも合っています。
したがって、私の否定的なレビューは言語の問題によるものではありません。
**「Fav Five's Queer Eye」アメリカの人気リアリティショー
よくない評価
3/10
「がっかり」
このシリーズはダラーッとしています。驚いたことに番組内の一番の弱点は近藤自身です。
まず、言葉の壁があります。これは私にとってショックでした。日本語で話し、字幕が画面に表示されます。彼女が何を言っているのかを知るには、注意深く見て、そして字幕を読まなければなりません。
彼女のコメントは短くて何度もくり返されます。彼女は声が小さいみたいです。
話の内容はいつも同じです。
近藤が散らかっている家を訪ねます。 彼女は短めの歓迎のセレモニーをして、それから家の持ち主にクローゼットを空にして、一枚一枚見せながら「ときめきますか?」と聞きます。ほかの部屋もすべて同じようにして周ります。服や布物をたくさんたたんだり巻いたりします。
彼女は小さなものをまとめるための箱を持ってきます。家の持ち主がキレイになった家を訪ねます。それで、また次の家へ行きます。おもしろみのある場面は家の持ち主が演出しています。会話やユニークな部分はほとんど家主さんの話だけです。
1/10
「特になにもない」
プレビューを見たときはすごい番組だと興奮しました。でもそれは期待外れでした。
私は字幕が好きではないです。その上に時々通訳が彼女に話しかけるので、どんどんわからなくなってしまいます。
Marieから実用的なアドバイスはそれほど多くありません。彼女はやって来てこんにちはと言って、ほとんどすべてをそこの家族にやらせます。最後のビフォーアフターのシーンも大したことありません。全体的にちょっと・・・という感じです。
1/10
「最悪」
彼女は自分の得意分野を見つけたのだと思います。しかし、家に感謝しますか?服を折り畳む方法を学びますって??
字幕でみないといけないのは痛いです。私はマルチタスクが好きで、いちいち場面を見ないと内容が分からないのは嫌いです。
子供たちが叫んでいるのも不快でした。彼らは何が学んだのでしょうか?家にモノがあふれているのはすでに分かっているでしょ?
家財に愛していると言って、あなたに喜びを与えるものだけキープする。私の便器ブラシは私に喜びをもたらしませんが、私は捨てていません。あの番組のファンではないですね。私は邪悪な人たちに耳を傾けるのがイヤです。うーん・・・
2/10
「私が観たのは何だったの?」
あなたは物を持ってますか? もっと物が少なかったらと思いますか?小さなアジアの女性が、古いものを捨ててカテゴリごとに整理整頓する方法を教えるテレビ番組がありますよ。
あなたが、箱にTシャツを分類してしまうことがどれほど楽しいかについて説明する字幕を読むことが大好きでない限り、これは観ない方がいいです。
こんな感じで、こんまり流を受け付けない人はまったく受け付けないみたいですね。「ひどい番組」とか「彼女は本だけにしておくべきだった」とかいうレビューもありました。
あとアメリカ人は字幕になれていない人が多いのかもしれませんね。字幕はかなりのブーイング率です。
こんまりはタイム誌に選ばれている
Netflixの番組になったことでニュースに取り上げられたこんまりさんですが、彼女は2015年にアメリカのタイム誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」(The 100 Most Influential People in the World)に選ばれていてすでに世界的に有名です。
>>紹介ページ
https://time.com/3822899/marie-kondo-2015-time-100/
数あるカテゴリーの中で彼女はなんと「アーティスト」として選ばれています。パーフェクトなまでのお片付け術が、海外では美しいアート扱いなのですね。
こんまり流の「ときめきますか?」を英語で言うと?
ところで、こんまりのお決まりのフレーズ「ときめきますか?」って英語で訳すとどうなるのか調べてみました。
ときめきは「spark joy」、ときめきますか?「Does this spark joy?」となるそうです。「しあわせ(joy)を炸裂させる(spark)」と書いて「ときめく」と訳すのだそう。覚えているとなんかのときに使えるかもしれません・・・
「Kondo」が片づけるという英単語に?
こんまりのアメリカでの人気の裏付けには、なんと彼女の苗字の近藤(Kondo)が英単語として使われている例があります。
ウォールストリートジャーナルから「Should You Kondo Your Kids?」(子どもをコンドウするべき?)というオーディオブックが発売されているのです。
いずれ「ググる」みたいな使われ方で、アメリカでも「コンドウる」みたいな言葉が普通に使われる日が来るかもしれませんね。
さらに英語圏では「こんまりメソッド」を「片付ける」と言う動詞として、konmariにingをつけた”konmaring”(コンマリング)という言葉まで生まれています。
インスタのハッシュタグにも"konmaring”があります。
https://www.instagram.com/explore/tags/konmaring/
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まとめ
海外で日本人女性が活躍しているニュースはやはりうれしいもの。調べてみると日本人よりも海外の方たちの方が、こんまりメソッドは新鮮だったようです。Youtubeには英語以外にもフランス語やスペイン語でKonmaringしている動画が見受けられました。
これからもたくさんエピソードを増やして日本人の「ものを大切にする気持ち」「ものに感謝する気持ち」を幅広く広げて欲しいものですね。